靴好きの戯言 ②

皮革前回は、革の種類について簡単に述べました。今回は、その革を鞣すタンナー(鞣し業者)について書きます。タンナーはやはり、欧米のメーカーが圧倒的に多く、最近ではイタリヤのタンナーが注目されています。が、先進国では廃業するメーカーも少なくありません。

原因は、経営的なことも一因ですが最も問題視されているのは、鞣しの工程の中で発生する汚水処理の問題です。某国では、原子炉の汚水問題が深刻化しておりますが、そこまでいかなくとも環境保護の面から、やむなく撤退という企業もあります。


ドイツでは、あの某有名カバンメーカーに革を供給していたといわれる、「カールフロイデンベルグ」という有名タンナーが、近年、惜しまれながら鞣し業から撤退しました。理由は、汚水処理といわれています。現在、各靴工房にある残り少ないストックはマニアの間ではプラチナカーフです。他にもイギリスのピポデイ社、フランスのデュプイ社という名門タンナーの名前が消えました。

ただ、会社名は消えても、その技術は継承される場合もあります。先の「カールフロイデンベルグ社」は、その下請けであったポーランドの「ワインハンマー」という業者が自社ブランド名で生産を続けています。

スウェード素材で有名なのは、世界中で使われる高級スウェードを一手に生産しているといわれる、イギリスのチャールズ・F・ステッド社です。馬の革(農耕馬のお尻の部分を使うコードバン)では、アメリカのホーウィン社。コードバンは日本でも少量生産されていますが、世界的にみてこれもホーウィン社の独壇場です。

ちなみにアメリカでは、この馬の革は靴以外にも、野球のボールに使われています。日本のプロ野球では、牛革製だそうですが、アメリカでは馬の皮だそうで、牛革に比べるとすべりやすいそうです。日本では、この馬の革、昔は小学生のランドセルに使われていたそうです。今では、クラリーノと言うんでしょうか、人口皮革が主流みたいです。 

話を元に戻しますが、消える業者もあれば、新たに注目される業者もあります。フランスの「アノネイ」は、昔ながらの鞣しの工程に近代の機械化を取り入れて、環境にも配慮しながら成功しています。

皮の鞣しは、その工程や、管理も大変で、非常に手間のかかる業種であり、ご多分に漏れず、その後継者の問題もあるようですが、人間の日常の生活に革製品は切っても切れない側面があるのも事実です。環境問題とうまく折り合いながら、生産を続けてほしいものです。 

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