聞法の徳

御教歌

聞度に いつも始の 心地して よろこんできけ 妙の御法を 

新しい年を迎え、心をあらたにして信心の改良につとめ、御利益のいただける御奉公に励みましょう。初心にかえって、お祖師さまの教えを素直に聞く善聴参詣に心がけ、即聞即行、随喜転教につとめて下さい。 

「一音意解(いっとんいげ)」と申しまして、同じ教えを聞いても受け方によりかなり相違が生じます。上手な聞き方をすると信心が増進するのです。「手を打てば、下女は答える、魚はよる、鳥は飛び立つ猿沢の池」。奈良の猿沢の池のほとりで手を打ちますと、女中さんはハイと答え、池の中の魚は餌をくれると思い寄って来て、鳥はいっせいに飛び立ちます。何事も受け方により千差万別です。 

お互いに御法門を聴聞したら信心の洗い直し、見直しに励み、素直な聴き方につとめること。笊耳(ざるみみ)ですと、笊は目が粗く水が漏れるように、聞いてもすぐに忘れます。剪耳(きりみみ)の場合、前に聞いたことがあるといって切り捨てます。袋耳(ふくろみみ)になりますと、一度聞いたら忘れません。盗み聞きというのは、人に知られないようにこっそり聞くことです。「壁に耳あり障子に目あり」でお互いに用心が大事です。 

その他、いろいろな聞き方があり、心配事があったり、心が他に奪われておりますと、相手の話がこちらの心の中に入ってきません。真剣に聞くというのは難しいのです。聞き上手につとめましょう。また「口耳四寸の学」といって、耳から聞いたことを自分がよく理解せずすぐに話してしまい、自分の頭には何も残らない、ということもありがちです。 

御指南

「我信を決せんには法を聞べし、他を化せんには法門を習ふべし。」(扇全2巻371頁)

「信心は身の柱、家の柱、当講に法門なくば家に柱なきが如し。」(扇全27巻259頁) 

御法門を拝聴したら仏の正しい教えを人に説くことが大事。分かったというのは、人に話ができることなので、自分の中にしまっていたのではいけません。話をしますと自分も内容がよく理解できます。御題目の尊さ、参詣の喜び、教化の功徳などを、人に自信と勇気とをもって説きましょう。特に新入信者には丁寧に信心の基本を話してください。 

御指南

「当流の信者、一句聴聞し感得したれば直に人に展転すべし、(乃至)肝要の御法門を聴聞して、常に人にさとして、如来の使ひを勤むべし。人に向って説くを人界の思い出とすべし。」(扇全15巻416頁)

 

平成24年1月発行 乗泉寺通信より

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