息子の御利益を通して

息子は現在、青年会で主事のご奉公をさせていただいております。青年会へのきっかけは、高校受験の際に青年会の方々がお助行に来て下さったことでした。当時、4ブロックの青年会には、得度される前のN.go師がいらっしやいましたが、熱心に奨引して下さり、それを機に息子はお参詣・ご奉公をさせていただくようになりました。 

その後、大学受験の時にも、お講師を始め青年会の皆さんに大変お世話になりました。高校・大学と志望校合格のお計らいを、また青年会でも充実した日々を送らせていただき、いよいよ社会人として第一歩を踏み出そうと胸をふくらませて就職活動を始めました。 

ところが折からの就職氷河期で、希望する就職先は思うにかなわず、就職浪人することになりました。お講師や青年会の皆さんには、「必ずお計らいをいただけるから大丈夫!」と励ましを受け、就職活動を続けながら、一生懸命にお寺参詣・ご奉公をさせていただいておりました。 

しかしながら、さすがに焦りを感じ始めた今年初め、登録していた就職情報機関の担当者から、「希望する条件に合いそうなところがありますよ」と連絡をいただき、さっそく筆記試験に臨み、合格後、面接の通知がありました。ところが、面接当日、採用は1名のみとわかり、その場には30名におよぶ精鋭が控えていたのです。

本人曰く「雰囲気からして、これは無理だとわかったけれど、心のなかでお題目をあげ順番を待っていた」と。そして1週間後に来た連絡は、なんと合格通知でした。「奇跡としか言い様がない…」と本人は震えておりました。まさに、お計らいをいただいたのです。すぐご宝前に手を合わせ、家族全員で喜びを分かち合いました。 

翌日、御礼のお参詣に私が乗泉寺へ参りましたところ、早くも合格の報が伝わっており、お講師を始め、青年会の皆さん、さらに婦人会の方々からも「就職、おめでとう!」と言われ、周りの方々がこんなにも心配して下さっていたのだと、改めて恐縮しつつ感謝の気持ちで一杯になりました。

自分がひとり頑張っても、それはほんのわずかな力でしかなく、周りの方々の温かい思いや願いがひとつになって初めて、大きな力になることを息子共々、感得させていただきました。平目は仕事、土日はご奉公と息子は休む間もありませんが、不思議なことにご奉公を終えて帰宅した際は、晴れ晴れとして嬉しそうです。

私自身も2年間、婦人会本部でご奉公をさせていただき、ご奉公の大切さ、喜びを肌で感じ、実に多くのことを学ばせていただきました。それは一言でいえば「私心なく与えることと受け取ること」ということでしょうか。ご信心を通して、人のために何かをし、相手の身になって思い願えば、その喜びは自分に返ってくる。そのことを学ばせていただいたのです。多くの方々の支えがあって初めて今の自分が存在するということを忘れてはいけない、と。息子の祖母を含め、家族全員でご信心をさせていただいているからこそ、それが理解でき、感謝できるのです。

ある仏教書に、「すべて利益となるものは人のもとへ すべて損失となるものは我がもとへ‥…・このわたしが旅するものの先導者となりますように 彼岸をめざすものの 舟と、橋と、道となりますように……」とありました。このような菩薩行の境地に至ることができるのは、いったいいつなのでしょうか‥…・。 

息子がいただいたご利益を、今度は皆さんにお返ししていかなければなりません。常に慈悲なる自利利他の心をもって、尊い菩提心を育てられるよう親子共々、これからも精進し、ご奉公させていただきたいと思います。ありがとうございました。(M.M) 

甲御講ちょっといい話より

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